
岩手県一関市の徳永木工所が、スギ建具の弱点だった「傷みやすさ」と「劣化しやすさ」に正面から向き合い、新しい建具「アクセント杉建具」を生み出しました。その取り組みは2026年5月28日付の岩手日日新聞1面でも大きく取り上げられ、地域を代表する注目のニュースとして紹介されています。
スギは軽くて加工しやすい反面、柔らかいため傷がつきやすく、湿気や紫外線の影響を受ける下部から傷みやすいという課題がありました。そこで着目したのが「素材の使い分け」です。特に傷みやすい框(枠)の下部や手が触れやすい側部に、クリやケヤキなど硬い広葉樹を部分的に組み合わせることで、コストを抑えながら耐久性を大幅に向上させました。
さらにデザイン面でも工夫があります。色味の異なる木材を框に挟み込む「美化アクセント杉建具」は、1枚ごとに異なる木目の表情が楽しめる、職人ならではの仕上がり。機能性とデザイン性を兼ね備えた点が、他社との大きな差別化ポイントになっています。
現在は商標登録を申請中。売上の一部は森林整備のための基金に寄付され、環境保護と国産材の普及にも貢献する姿勢が伝わります。すでに東京都内の店舗設計事務所から採用が決まり、秋の納品に向けて動き出しています。
住宅へのオーダーメード建具の需要が減少するなかでも、国産木材の魅力を発信し続ける徳永木工所の挑戦は、地方発のものづくりの可能性を示す好例として、岩手の内外から注目を集めています。

